患者さんに一つでも「お土産」を渡せる薬局に。Musubiユーザー越前堀薬局の思い

東京・八丁堀に2店舗を構える越前堀薬局では、2017年11月より〈Musubi〉の利用をスタート。30代〜70代のベテランまで、スタッフ全員がMusubiを使った服薬指導・薬歴作成を継続されています。Musubi導入の背景には、どんな思いがあったのか。代表の犬伏洋夫先生にお話を伺いました。

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創業95年、4代続く老舗薬局のポリシーは“患者視点”

―― Musubiを導入いただいたのが昨年の11月頃でしたよね。その後、いかがですか?

現状、うまく機能してくれています。本店・支店の2店舗を運営しているのですが、30代から上は75歳の薬剤師まで、当たり前のようにMusubiを使って仕事をしていますね。

―― それは嬉しいです。さて、改めて薬局のことをお伺いしたいのですが、越前堀薬局といえばまず歴史の長さに驚かされます。

うちは、設立が1923年。この地に店舗を構えて今年で95年になります。私の曽祖父が徳島から出てきて始めたお店なんですが、1923年はちょうど関東大震災の年なんですよね。もともと乾物屋だったのですが、包帯やお薬を求める声が高まるなかで少しずつ医薬品を扱い始めたのが、薬店の始まりだと聞いています。

その後、あとを継いだ祖父が漢方薬を扱い、3代目の父が鍼灸院を立ち上げ、私のおばが薬剤師として調剤・処方業務を担当してきました。私はもともと外の薬局に勤めていたのですが、17年ほど前に家業を継いで、現在に至ります。

―― 薬局運営で特に重視されていること、ポリシーがあれば教えてください。

患者さんへの指導やアドバイスを、薬剤師一人ひとりがきちんと“自分の言葉で”伝えることです。規模の大きな薬局だと業務のマニュアル化が進んでいると思うのですが、うちは良くも悪くもマニュアルが「ない」んですね。

ですので、「この患者さんにはこんなふうに接したらいいのでは」とか、「こういう提案をしたら喜ばれるのでは」など各自が思いついたことがあれば、僕はそれをできる限り止めないようにしています。

例えば飲食店などでも、店員さんの裁量で何かしてもらえたときに「ここへ来てよかった」「この人に接客してもらえてよかった」と感じることが多いと思うんです。それを、薬局でも実現したいと考えています。

30代〜70代まで、誰もが使える電子薬歴を求めて

―― そもそも、薬歴システムとしてMusubiの導入を検討したきっかけは何だったんですか? 紙から電子への移行はお済みでしたよね。

そうですね。以前はとあるレセコン一体型の電子薬歴を使っていました。これ自体は非常によくできたシステムだったのですが、使い手を選ぶところがありまして。

何かというと、すべて手入力が前提の業務システムなんです。キーボードで、マニュアル入力したことしか薬歴には記載されない。

冒頭で申し上げたとおりうちはスタッフの年代が幅広く、75歳のベテラン薬剤師も活躍しているのですが、キーボードひとつ扱うにもなかなか難しいところがあって。窓口では患者さんに指導しているものの、その内容がきちんと薬歴に残せていないということが多かったんですね。

これは経営的にも非常に大きな課題だなと悩んでいたところ、知人の紹介でMusubiを知り、タッチパネル式のPCをタップするだけで薬歴が残るという機能に興味を持ったのがきっかけです。

―― 実際にMusubiを使ってみた印象はいかがでした?

厚みのある薬歴がカンタンにできるな、という驚きが一番でした。これなら、うちの薬剤師もスムーズに使いこなせるなと。

そして、いい意味で想定外だったのが、Musubiが薬歴効率化だけのシステムではないというところでした。

担当の方が仰ったことで今でも頭に残っているのが、「薬剤師は患者さんに必ず一つ“お土産”を持たせないといけない」という言葉。

薬剤師は患者さんにいろいろ尋ねるものの、聞きっぱなしが多いと。聞いた結果、何か一つでもアドバイスをしないと、薬局・薬剤師の価値を提供していることにはならないんじゃないか。

本当にその通りだなと。その打開策の一つが、Musubiに搭載されている健康アドバイスの機能だと思うのですが、この機能に強く共感したことも導入を決めた理由の一つになりました。

薬歴の効率化・質向上を実現。薬剤師の新たな学習機会にも

―― 実際に導入して、いかがでしたか? 皆さん、すぐにお慣れになったのでしょうか?

ええ、慣れは非常に早かったと思います。導入後3カ月もすると、残業時間も目に見えて減ってきました。

―― 薬歴の厚みの部分はいかがですか?

薬歴の質も、高い水準でキープできていますね。先ほどお話したように以前のシステムでは薬歴を入力できていなかったスタッフも、Musubiを使うようになってからは、肉付きのいい薬歴を残してくれています。

患者さんにお話したことは画面タップで入力し、あとはSとAをササッと手入力する。このような流れで、誰がみても違和感のない内容に仕上がっていると思いますね。

―― 患者さんとのコミュニケーションに変化はありましたか?

患者さんに、つど新しいことが言えるようになりました。患者さんからも「なるほど」「良いことを聞いた」といった言葉をいただく回数が増えてきたように感じます。

今まではアドバイスといっても、お話を伺ってそれに対するアドバイスを一言二言するくらいで、ワンパターンになってしまうことが少なくなかったんです。Musubiのワンポイントアドバイスがあることで、患者さんにお伝えする情報のバリエーションが広がったのは嬉しいですね。

そういう意味では、Musubiが良い勉強ツールにもなっているんですよ。Musubiの服薬指導コンテンツやワンポイントアドバイスが、私たち薬剤師にとっても新たな知識の習得機会になっているんです。

業務で触れることの少ないお薬の情報はもちろん、「マーガリンを避けるだけでコレステロールを下げるのに効果がある」といった健康アドバイスも含めて、普段の業務のなかで知識を増やしていけるのは良い点だなと感じています。

これは、経験豊富な薬剤師からパートのスタッフまで、みんな助かっているんじゃないかな。患者さんとスタッフのやり取りを聞いていて、「あ、これはMusubiに載っているあのアドバイスの話をしているな」と思うこともよくありますね(笑)。

患者さんとの信頼構築にこそ、薬局・薬剤師の価値がある

―― 最後に、越前堀薬局の今後の目標、展望を聞かせてください。

大きな話になってしまうのですが、薬局・薬剤師として患者さんに提供できる価値をより高めていきたいということに尽きます。

そもそも薬局は、店舗によって出てくる薬が変わることもありませんし、基本的な機能としてはどの店舗も同じです。だからこそ、患者さんがその薬を服薬しつづけるための強い動機をつくることができるかどうかが重要になると思うのですが、それは患者さんと薬剤師との個別の信頼関係によるところも少なくないと思うんです。

理想としては、「処方箋をチケットにして、自分の好きな薬剤師と話をしに行く」というような……。処方箋を受け取ったタイミングでは納得できていないお薬でも、信頼している薬剤師の話を聞くことで、処方された薬への理解が深まり納得して服薬できる。そんな機能を果たせる薬局・薬剤師を目指しています。

私が家業を継いだのが17年前、当時50代だった方がお年を召され、在宅のご相談をいただくこともどんどん増えてきています。地域密着型の薬局として、こうして頼っていただいた方々の一生をずっと近くで見守っていきたいというのが、越前堀薬局としての強い思いです。

そうしたことも見据えて、患者さんの情報が時系列で把握でき、これまでの経緯とこれからすべきことがどの薬剤師でもすぐに分かるようなツールに、Musubiが進化してくれると嬉しいですね。


越前堀薬局HP

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株式会社カケハシ - KAKEHASHI

医療をつなぎ、医療を照らすーー。薬局・薬剤師向けに電子薬歴システム〈Musubi〉を展開するSaaS企業、株式会社カケハシ(KAKEHASHI)の公式noteです。KAKEHASHIにまつわるヒト・モノ・コトを幅広くお伝えしていきます。ぜひフォローを!
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