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「法改正から読み解く薬局の理想像と、今できるアクションプランとは?」薬局向けセミナーを開催しました

KAKEHASHIにて薬局の経営者・管理職向けのセミナーを開催しました。自社開催のセミナーは2018年12月からスタートし、基本的に毎月第2木曜日と第3水曜日で開催しています。今回の講師はCOOの中川。約2時間のイベントで話された内容を、コンパクトにまとめてお伝えします。

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中川:
今回は、薬機法改正の話をメインにしながらも他国の実例や経営に関する話題を交えながら、業界全体の大きな視点からお話ができればと思っています。

薬剤師の定義が抜本的に変化

2015年に厚生労働省から「患者のための薬局ビジョン」が発表され、薬局は対物業務から対人業務の方向へシフトしつつあります。

「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」はすでにご覧になっているかと思いますが、今回の改正では薬剤師の法律上の定義が抜本的に変わろうとしています。薬剤師は、今まで以上に付加価値の高い専門職としての価値を出すことを追求すべき時期に来ており、今後10年を振り返った際に“象徴的な転換点”となるのではないか、と考えています。

他国の例として、2018年にAmazonが買収したPillPackを紹介します。オンラインで登録し、自宅で薬を受け取ることのできるサービスです。他にも、セントラル調剤モデルを用いて複数店舗分を集約し、調剤コストを削減している実例もあります。

日本でも今後は、薬のピッキングのうち一部は機械化し、薬剤師は薬の知識の専門家として薬の飲み合わせの安全性や検査値からより良い薬を提案するなど、薬剤師しかできない業務に集中する方向に向かう可能性があると考えています。

患者さんのニーズと薬局の二分化

厚生労働省「患者のための薬局ビジョン実現のための実態調査報告」によると、薬局は何をするところか聞かれたうち約95%の人が「医師から処方された薬を受け取るところ」と回答しています。利用した薬局を選んだ理由としては、「以前からよく利用している薬局だから」「受診している病院・診療所から近いから」が上位の回答となっています。一方で、薬剤師・薬局にしてほしいことについては「医師から処方された薬についてわかりやすく説明してほしい」という回答が最も多くなっています。

薬局を”薬を受け取る場所”だという前提で捉えれば、「距離が近い」「待たない」は正解かもしれません。しかし、患者さんから見た薬局の姿が変われば、その前提は変わるのではないでしょうか。豊富な知識を持つ薬剤師と会話をすることに価値を感じれば、患者さんは待つことを厭わないのではないか、と。

個人的な予測ですが、将来的に薬局の役割は二分化していくのではないか、と考えています。高齢者で複数疾患を持つような患者さんには、専門性が高く丁寧な説明をする薬局。若く健康で説明を聞く時間のない患者さんには、効率よく対応する薬局というように、患者さんのニーズによって関係性が変わっていくのではないでしょうか。「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」にも、薬局の専門性の強化と患者さんの薬局選択について記載されています。自分の薬局をどういう訴求価値に合わせていくのか、選択があっても良いのではないかと考えています。

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中川によるプレゼンテーションの後は、参加者と軽食を交えた交流会。薬局の関係者だけでなく、研究者や報道関係者など、多様なバックグラウンドの参加者と意見交換を行いました。平日夜にもかかわらず、遅い時間まで活発な議論が交わされていました。

これからも定期的にイベントを開催する予定です。イベントの予定は、ぜひKAKEHASHIのFacebookページでご確認ください。

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