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高度な専門知識と臨床経験をサービスに昇華させる「スクラムマスター」のリアル

カケハシが提供する調剤薬局向けシステム「Musubi」は、薬剤師が開発当初から参加。現場に寄り添い、最適な薬局支援を行います。Musubiに表示される服薬指導文も、臨床経験をもつ薬剤師がその専門性を活かして制作しています。今回は、制作チームをリードするスクラムマスターとシステム開発のスクラムマスターの2人に、業務のリアルをオンラインで聞きました。

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服薬指導文の制作業務を適切に進めるのが「スクラムマスター」

ー「スクラムマスター」がどんな役割なのか教えてください。

川下:そもそも「スクラム」とは、ソフトウェア開発の手法、進め方のひとつです。ここでシステム開発の手法を語ると長くなってしまうので、簡略化してお伝えします。プロジェクトの最終的なゴールに向けて、2〜4週間単位で検証可能なレベルの中間ゴールを設定し、検証・修正を繰り返していくという業務の進め方です。

細かく検証と修正を繰り返すことができるので、スタートアップのような不確実性の高い現場に向いており、カケハシでは開発部門以外でも、スクラムの考え方を取り入れて業務を組み立てているチームもあります。

スクラムマスターとは、この「スクラム」というプロセスの正しい運用を管理する役割です。

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システム開発のスクラムマスターを務める川下。業務システムのSaaS企業で開発経験を持つ

—なるほど。では齋藤さんが実際どのように業務を進めているのか聞かせてください。

齋藤:「Musubi」には適切な服薬指導をサポートするため、薬剤一つひとつに患者さんへの指導内容をまとめたテキストである「指導文」が組み込まれていて、私たちはその指導文の作成およびメンテナンス業務を担っています。

薬剤が発売されたタイミングで指導文を新規作成することもあれば、ユーザーからのフィードバックをもとに指導文を検証して改訂することもあります。それぞれに修正ポイントを洗い出して、期限までの作業項目を細分化してチャートを作成。そのチャートにしたがってチームで業務を進めていきます。

チームといっても今はほぼ2人体制です。もう一人はプロダクトオーナー(PO)で、プランニング兼ライティング業務を担っています。私はスクラムマスターとして、POと話し合いながら業務の優先順位を決め、無理のない範囲の業務量を設定して進めていきます。

業務は1週間の単位で区切り、毎日15分ほど進捗状況の確認をするとともに、週に1回は成果を報告して検証し、必要に応じて軌道修正していきます。

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Musubi指導文制作のスクラムマスターを務める齋藤。臨床経験を持つ薬剤師

―川下さんと齋藤さんはどのように連携をとっているのでしょうか?

川下:週に4回ほど、スクラムマスター同士のミーティングであるScrum of Scrums(SoS)を行っています。また、お互いのチームで相手チームへの要望があれば、適宜Slackで打ち合わせをしています。

スクラムマスター同士の連携が強く、困ったときにはすぐにサポートが

―齋藤さんの前職は調剤薬局勤務の薬剤師とのことですが、ソフトウェア開発の世界に飛び込んで戸惑うことはありましたか?

齋藤:私の場合、指導文のライターとして業務をスタートし、慣れた頃にスクラムマスターを務めるようになりました。社内で他チームのスクラムマスターの動きをよく見て模倣し、書籍などで勉強して知識を補いました。困ったときに声をあげれば、ちゃんと社内の誰かが助けてくれます。スクラムマスター同士のミーティングを密に行うのもそのためです。

川下カケハシはスクラムマスター同士のつながりが強固です。それぞれに独立したチームではありますが、スクラムマスターが個別に動くのではなく、お互いのチームの良い点は取り入れ、改善すべき点は共有して一緒に打開策を練ります。

カケハシでは、経験値や感覚でものごとを進めるのではなく、明確な指標と、そこに至るまでのプロセスをきちんと定義して業務を進める文化が定着しています。未経験でも心配することはないと思いますね。

齋藤:入社後すぐスクラムマスターを務めるのは難しいでしょうが、チーム内のプランナーやスクラムマスター、他チームのスクラムマスターがどういう動きをしているのかを見て、会社全体のキャッチアップをしていく。それから徐々にスクラムマスターとしての役割を担っていけると思います。

—齋藤さんは山梨県在住で、リモートワークがメインです。その環境で仕事をしていることについてはいかがですか?

齋藤:新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、テレワークやリモートワークの普及が一気に進んでいますが、やはり出社して同じ場にいること、顔を合わせたり立ち話をしたりする機会によって業務が円滑に進むという面はあると思います。

リモートワークの場合はそれができない分、Slackやオンラインミーティングでコミュニケーションを取ることを意識しています。また、オンラインミーティングではクリアな音声で会話が進むように、ヘッドセットを使用しています。高価なものでなくて構わないので、機材は準備したほうがいいですね。

川下オフィスにいる側としては、オフィスにいない人の立場で考えてミーティングの設計(頻度やアジェンダ、進行など)をし、それぞれの環境での体験に差がでないように気をつけています。リモートワークの人は社内でのちょっとした会話や場の動きをキャッチできない分、どうしても組織の動きから置いていかれがちになるので、そこは意識しています。

薬剤師としての臨床経験を活かし、最高の服薬指導をサポート

—指導文の制作チームはどんな人に向いていますか?

齋藤:服薬指導は非常に高い専門性が求められる業務です。高度な薬学の知識を備え、しかも患者さん一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを支援する指導文を作成するには、やはり薬剤師の力が必要です。

その点では、薬剤師、しかも病院や調剤薬局での臨床経験がある方に力を発揮いただけます。現場によってオペレーションも違うので、さまざまな現場を経験してきた方は、その経験が一層役立つと思います。臨床経験で培った患者さんへの伝え方をもとに、ITと掛け合わせて医療課題を解決していきたい方に向いていると思います。

—スクラムマスターはどんな人に向いていますか?

川下:これは私的な見解なのですが、成果を出すことにこだわるよりは、成果を出すためのプロセスにこだわることのできる人が、スクラムマスターには向いていると思います。

テストで100点を取ったときに「過程はどうあれ100点だ、万歳!」と済ませるのではなく、100点を取るためにどういう勉強方法を選んできたかを分解できる人です。

スクラムマスターは自分で手を動かさず、人に動いてもらって成果を最大化するのが仕事なので、人に動いてもらうにはどうしたら良いかを考え続けられる人が向いていると思います。

齋藤:私がカケハシに入社した決め手は、自分たちが手がけたものが、日本全国に伝播していくチャンスがあるということです。

今、全国には約6万店舗の薬局がありますが、もし私自身が薬局を立ち上げて大成功したとしても、その中の数%にしかなれないわけです。でも「Musubi」というサービスを通して患者さんへ適切な服薬指導ができれば、その影響力は全国にあまねく広がる可能性を持っている。そこには重大な責任を伴うプレッシャーもありますが、私にとってはやりがいになっていますね。

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