Musubi AI在庫管理リリースまでの道のり
この記事はカケハシアドベントカレンダー2021 19日目の記事になります。
こんにちは!2021年9月にリリースした「Musubi AI在庫管理(以下、AI在庫管理)」のプロダクトマネジャーを担当している渡部です。
はじめにカケハシおよびAI在庫管理について簡単に紹介させてください。
カケハシでは「日本の医療体験を、しなやかに。」というミッションを掲げ、調剤薬局向けのサービスを日々開発しています。
AI在庫管理は、薬剤師の業務効率化・服薬指導の質向上のためのMusubi、薬局経営の見える化を行うMusubi Insight、服薬期間中フォローを支援するPocket Musubiに次ぐ4つ目のサービスです。
AI在庫管理の提供価値は、これまで人的オペレーションに依存していた医薬品の在庫管理業務を半自動化し、「誰でも」「より簡単に」「より適切な」発注・在庫管理を可能にする点です。その結果、薬局の業務効率化と医薬品の欠品・余剰在庫リスク軽減を実現します。
AI在庫管理で採用している技術スタックや組織体制についても紹介しているので、ぜひご覧ください。
前置きが長くなってしまいましたが、本日はAI在庫管理リリースまでのマイルストーンのうち、特にプロダクト特性が表れた取り組みについてご紹介したいと思います。
AI在庫管理のプロダクト特性としては、以下の点が挙げられます。
上記を踏まえ、ユーザービリティ(UX)テスト、運用テストおよび予測検証を重点的に行う期間を設けています。それぞれの概要を以下に記載します。
①について、毎日利用する業務システムであるからこそ、直感的かつ簡単な操作を強く意識しています。そのため、ペーパープロトをもとにしたユーザーヒアリングは前提としつつ、設計時点では、いかにスムーズにユーザーが目的を達成できるかという構造設計・情報設計のプロセスを挟み、MVP(社内ではα版と呼んでいます)ローンチ後はUXにかかわるアセスメントを継続的に行い、改善のフィードバックをこまめに回していきました。
チーム全体がこれらの重要性に対する共通認識を持っていたのは、私たちのチームの強みだと思います。ユーザーニーズへの興味/理解のため、バックエンドを担当するエンジニアがプロダクトデザインミーティングへ“招待していなくとも”参加してくれていたほどです(笑)
次に②について、AI在庫管理の最大の特徴でもある“AI”を扱う側面から、プロダクト開発・サービスデリバリの両面でプロダクトマネジメントの面白さがあったと考えています。
プロダクト開発において、従来の在庫管理システムと異なるのが、AI在庫管理では教師データが必要となる点です。具体的には、薬局の過去の発注データや処方データですが、その形式は出力元のシステムや薬局の運用によって千差万別です。
これらの背景から、実際にデータを受領するカスタマーサクセス(CS)、データの取り込みを行うバックエンド/データエンジニア、取り込まれたデータを予測へ昇華するデータサイエンティスト/機械学習エンジニアが密に連携し汎用化出来るような仕組みを構築してきました。
また、サービスデリバリの観点からもAIは普段の薬局業務には馴染みのない概念です。そのため、いかに納得感を持って早期に価値を実感いただけるかが重要になってきます。
この点に関しては、まさにCSとも議論を重ねながらオンボーディング、アダプションのアクティビティ構築/改善を進めています。加えて、薬局現場でのシステム切替負荷を少しでも軽減するため、AI在庫管理とは別にiOSでの医薬品発注支援アプリなども11月にローンチしています。
これらの取り組みを振り返ると、ビジネスサイド、エンジニアの垣根なくプロダクトの提供価値向上にワンチームで取り組めること。iOSアプリに見られるような、特定の側面に固執せずテクノロジーを活用したソリューション提供をスピード感を持って実現できること。このあたりが、手前味噌ではありますが、チームの強み/面白さであると考えています。
2021年9月にリリースしたAI在庫管理は、ありがたいことに毎日のように顧客からのお問い合わせをいただいています。ただ、プロダクトとしては改善の余地がたくさんあります。
しなやかな医療体験を実現すべく、ビジネスサイド、エンジニアともに仲間になってくださる方を心からお待ちしています!まずは話を聞いてみるだけでも良いので、是非お気軽にお声がけください。
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最後に
カケハシでアドベントカレンダーをやっています。他の記事もぜひ読んでみてください。