Musubiのこれから。Musubiユーザー薬局6,000店舗突破のリリースに添えて
こんにちは。カケハシ CEOの中川です。
本日、Musubiユーザー薬局が6,000店舗を突破したというリリースを出しました。
全国の保険調剤薬局の数が約60,000店舗といわれており、そのうち1割の薬局さまがMusubiをご活用くださっていることになります。2017年のサービス開始から約5年。歴史も後ろだてもないなかで生まれたMusubiが今日に至っているのは、ひとえに多大なご支援をくださっているユーザーの皆さまのおかげです。この場を借りて、御礼申し上げます。
創業期、開発メンバーとともにMusubiを採用してくださったユーザー薬局を訪問したときのこと。Musubiを使って患者さんに服薬指導をし、薬歴をつくる薬剤師の先生たちの様子をみて、百戦錬磨のベテランエンジニアが静かに涙していた姿を私は忘れることができません。すべてのカケハシメンバーが、それだけの思いを持って育ててきたのがMusubiというプロダクトなんです。
「薬剤師さんを薬歴の負担から解放しよう」とスタートしたMusubiは、医療や薬局の現状と課題をより深く理解するなかで、「服薬指導の充実による患者さんへの価値提供」というコンセプトを獲得しました。
さらに今では、服薬フォロー/おくすり連絡帳アプリの「Pocket Musubi」や薬局経営・薬局業務をデータでアシストする「Musubi Insight」、医薬品の在庫管理をAIでフォローする「Musubi AI在庫管理」といった新たなプロダクトとともに、“対物から対人へ”の流れをデジタルで後押しする「患者さんと薬局・薬剤師の薬局体験の変革」のためのサービスとして提供するに至っています。
そしてここから、Musubiは新たなステップへと歩みを進めていきます。これまで主に薬局の“業務”に向き合ってきたMusubiですが、これからは“患者さんと医療の接点”や“医療システムにおける薬局の役割”そのものを、あるべき形に変えていくためのチャレンジになっていくでしょう。
言い換えれば、医療そのものを、患者さんを含むすべての生活者にとってより身近な存在にしていくというテーマです。
例えば、レストランを選ぶときには口コミであれこれ調べるのが当たり前になっていますが、それが医療となると、特に薬局を吟味する人はほとんどいないでしょう。質やサービスの差を見極めることが難しいのが現状ですが、Musubiに蓄積された情報を見える化させることで、一人ひとりにあった薬局を提案するといったことも可能になるかもしれません。その結果、患者さんに真摯に向き合うパフォーマンスの高い薬剤師さんが人気を集めるなど、医療人の仕事が適切に評価される世界にもつながっていくのではないかと思います。
また処方箋の電子化やリフィル処方箋、オンライン診療・服薬指導が浸透していけば、患者の医療体験も大きく変わっていくはずです。薬局の現場で大変な負担になっている一包化やその監査も、高度にシステム化されたセンターへの委託が可能になれば、薬剤師はより患者さんへの指導に集中できるようになるでしょう。
さらに、今までそれぞれの医療機関のなかでオンプレ型のシステムに閉じていた情報は、クラウドベースでシームレスに連携できるようになっていくでしょう。地域医療を支えるうえで、病院・クリニックと薬局、薬局同士等の連携がより一層重要になってきます。
そのほか、昨今大きな課題となっている医薬品の供給不足や、頻回配送・急配といった卸事業者の負担。加えて、離島やへき地への配送をどう維持していくか。さまざまなシーンで、大胆な変化が求められています。
これらはあくまで一例ですが、Musubiのプロダクト群を通じてこうした変化を後押ししていくことが、これからの私たちのチャレンジです。「日本の医療体験を、しなやかに」というミッションを掲げるカケハシですから、ようやくスタートラインに立てたといっても過言ではないと思います。
そんなことが本当にできるのかと言われると、答えは正直わかりません。でも、そうなるべきであるという考えに迷いは一切ありません。カケハシを創業し、Musubiを構想したときもそうでした。ただビジョンを信じて走り始めただけ。そういう意味では、カケハシはまだまだ創業期。誰もが正解のわからないカオスのなかで、試行錯誤しながら道を拓いていく状況にあります。
いま改めて、最初期にMusubiを採用してくださった、あるユーザー薬局さまにいただいた言葉を思い出しています。
「私は君たちの夢にお金を払っているんだ。もし恩を感じているのなら、それを実現させることで返してほしい」
リリースしたばかりのMusubiは今のMusubiからは信じられないほど頼りないものだったのですが、それでも「Musubiを使う」と決めてくださったことに、当時のカケハシがどれだけ救われたか。
自分たちのサービスが医療を支える一部を担っていることの責任をさらに強く意識するとともに、医療従事者のみなさまとともに理想の医療を実現するための“新たな架け橋”を今後も生み出しつづけていくことをここに記し、結びとしたいと思います。
これからのカケハシ、そしてMusubiに、ぜひご期待ください!
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新たなチャレンジに向けて、全方位的に積極採用しています。創業期ならではのカオスを一緒に楽しみましょう!