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カケハシの源流「日本の医療体験を、しなやかに。」を考える〜クリエイティブディレクター・上田恭平〜|月イチ!カケハシさん

こんにちは、カケハシ公式note編集部の鈴木です。

カケハシでは日頃から社内Podcast「カケハシラジオ」を公開しています。社内のさまざまなできごとやトピックスをお送りしていますが、メインコンテンツの一つとして配信を行っているのが、一人のメンバーをゲストに迎えてお送りする「月イチ!カケハシさん」。カケハシとの出会いや仕事を進めるうえで大切にしているスタンスなど、メンバーの人柄を紐解くための企画です。

これまでは社内だけで公開していたカケハシラジオですが、せっかくなので「月イチ!カケハシさん」をnoteでもおすそわけする運びとなりました。ラジオパーソナリティは、ブランディングチームの鈴木啓祐さん。それでは、今月もカケハシラジオの世界を覗き見していきましょう!


鈴木啓祐(以下、啓祐):みなさん、こんにちは。カケハシラジオの時間です。今日はいつもと異なり、鈴木啓祐が司会進行を務めさせていただきます。前回の全体会議でのリレースピーチの担当が、いつもここで一緒にパーソナリティを務めている上田さんだったので、今回は急遽僕がホストを仰せつかりました。

啓祐:ということで、今日のゲストはカケハシのブランディングチームでクリエイティブディレクターとして働く上田恭平さんです。よろしくお願いします!

上田恭平(以下、上田):よろしくお願いします!

啓祐:全体会議では、バリューの原点についてお話しいただいたと思います。リアルタイム投票で「バリューの原点の話」と「バリューアイコンの解説」の2つのテーマを挙げて、聞きたい話を選んでもらったんですが、圧倒的に前者が選ばれましたよね。

上田:そうですね。アイコンの解説もお話したかった!

啓祐:あんまり興味なかったのかな(笑)。セオリー的にはここで残ったほうの話をするのがよさそうですが、ラジオだとビジュアルが見えにくい分、ちょっとこの話題は向いていないのかと思いまして。その代わりに、バリューの話をしてくださったことの上位概念というか、ミッションやビジョンが決まったときのエピソードなどを思い出しながら、上田さんに語っていただけるといいなと思います。 


ミッションは、事業を牽引する役割すら担うもの

啓祐:そんなわけで、まずミッション、ビジョン、バリューは、よくセットで語られますが、これらが決まった当時はすべてまとめて考えられていたのでしょうか、というところから話していこうと思いますがいかがでしょう?

上田:そうですね。並行して考えていた記憶もありますが、ミッションとビジョンがやや先行していた感じがしますね。

啓祐:いろいろな会社がミッションを掲げていると思いますが、カケハシの「日本の医療体験を、しなやかに。」というフレーズに行き着くまでには紆余曲折があったのでしょうかね。他の案なども検討されたのでしょうか?

上田:案があったというよりは、当時のボードメンバーと、カケハシでどういうことを目指しているのか、自分たちのアイデンティティについて話し合いながら作っていきました。いくつか考えたというよりも、いろいろな話を自分の中にインプットしていって、それをどう表現すればうまく伝わるかを模索していった感じでした。

啓祐:議論のなかで得たインプットをもとに、たどり着いたという意味では、わりとシンプルな道筋だったんですかね。

上田:そうですね。当時はまだ電子薬歴としての「Musubi」一本だったので、世間的にはカケハシは薬局支援をしているバーティカルSaaSという見られ方をしていたと思うんです。でも自分たちが目指しているのは、それを踏まえた、さらに先の大きな医療システムの再構築へのチャレンジだった。それを表現するためのミッション、という位置づけでした。

啓祐:カケハシのミッションは社内での浸透度が高いように感じていて、みんなが意識している印象があります。もちろん願望もありつつ、ですが。一方で、以前僕が所属していた会社ではミッションらしきものがありましたが、企業のタグラインのように紹介されている程度で、あまり意識されていなかったように思います。 

カケハシでは「日本の医療体験を、しなやかに。」というミッションを掲げただけあって、今は「Musubi」だけでなく、いろいろなサービスを生み出そうとしている状況になっていますよね。そこまでは最初から想定されていたのでしょうか。

上田:すべてが明快な道筋として示されていたというよりは、さまざまな可能性が語られていたという感じだったと思います。

自分としては、どういう言葉や表現を用いれば、目指している方向性を共通のイメージとして共有することができるかをしっかり考えなければと思っていました。その軸となったのがこの「医療体験」という言葉だったのかなと。

当時、「医療体験」という言葉で検索すると、学生の実習現場での体験記事などが出てくるんですが、カケハシでは、医療従事者のUX的な部分や、患者としての医療サービス体験などを含めて、「医療体験」として言葉をある意味新しく定義したわけですよね。その言葉を先んじて定義できたことが、このミッションを作るうえでの手応えになりました。 

前に在籍していた会社でミッションの策定に関わったときも、すべて先までを見通せているわけではありませんでした。経営者やボードメンバーの頭の中にモヤモヤとしたビジョンはあると思いますが、それを緻密に描けるわけではないじゃないですか。

それを「言葉」という形で表してみると、生み出したミッションが逆にその先のビジョンやアクションを規定していくような、ダイナミズムが生まれるのを実感していて。カケハシにおいても、いつしか、「日本の医療体験をしなやかにするには?」と考えて事業を生み出せるようになるといいなと、そんなことを思うようになっていました。

啓祐:言葉の持つ力は大きいですよね。それを言い続けることで現実化していくみたいなこともあるじゃないですか。精神論に近いけれど、実際にそういう側面はあると思うんです。

だから、「日本の医療体験を。しなやかに。」というのは、スコープを限定せずに本質的な解決を目指すという意図が表されているのだと、僕は入社時に受け止めていました。そういうミッションに共感して入社する人もカケハシには多いのかなと。

上田:そう言ってもらえるのは、ミッション策定に関わった身としてとても嬉しいですし、「医療体験」という言葉で社会と繋がり、共通の課題認識やビジョンを共有できるのは本当に良いことだと思います。

啓祐:「医療体験」という言葉は、サービス提供側と受ける側を分断することなく、薬剤師も患者も含めて捉えているので、僕もカケハシに入ってからその意識が強くなりました。専門学校などが使う「医療体験」とは違う意味合いを込められたのは、言葉の力だと思います。この言葉の認識が広がるといいですよね。

上田:そうですね。医療従事者と患者の両方をカバーするラベルをつけられたのは良かったと思います。薬局体験をどう向上させるかを考えること自体が「Musubi」や会社全体のブランドコンセプトの根幹でもありますし、そこはメッセージ発信やブランディングにおいて大事にしてきたことですね。

啓祐:めちゃくちゃ真面目な話になってきているけれど、大丈夫かな。伝わっているのかな(笑)。


「カケハシらしさ」を表現するために続けていること

啓祐:僕は社内のブランディングチームで活動する身として、ミッションの社内浸透度が高いという感覚はあるんですが、対外的にはどうでしょう?

上田:どうなんですかね。でもそこはまだまだ変えていかないといけないと思います。カケハシは薬局向けのバーティカルSaaSの会社というイメージが強かったかもしれませんけれど、この数年でやっていることも広がっているので、少しずつ見られ方や認識も変わってきているのかなという感覚があります。

啓祐:僕もデザイナーとしていろいろなイベントのお手伝いをしていて、外の方からそういう声をいただくこともあるので、たしかに少しずつ伝わってきていると思います。ただ一方で、ミッションというのは言い続けることが大切じゃないですか。伝わったと思って安心すると途切れてしまうので、地道に発信し続けることが大事なのだろうなと。

上田:そうですね。医療従事者や患者さんと相対するのではなく、同じテーブルに着いて、より良い未来について一緒に話し合える存在でありたいですからね。

細かいところでいうと、サービスのイメージ画像をつくるときもよくあるやり方だとフリー素材を使ったりすることが多いと思うのですが、カケハシはそこにもこだわって、実際の薬局で、実際に薬剤師として働いているメンバーを撮影しました。リアリティではなく、リアルを追求することでしか伝わらないものがあるはずで、そこには強くこだわりました。

啓祐:YouTubeにあがっている「薬局ドキュメンタリー」の動画もあるじゃないですか。あれ、みんな観てくれているのかな。あれもすごくクオリティが高くて、業界に対する理解が深まるんですよね。カケハシがどういう世界観でやっているのかよくわかると思うので、みんな観たほうがいいですよ。

上田:あの動画は3年ほど前のもので、これからの薬局のあり方について考える、というコンセプトで制作したものです。シナリオありきではなく、薬局の日常を追いかけながら、薬剤師の社会的意義を表現することにチャレンジしました。

啓祐:あれも今作ったらどうなるのかな、とか考えることがありますし。前進しているのかどうかとかを考える意味でも、vol.3も作りたいですね。

上田:ぜひ予算を(笑)! 今後もこういったコンテンツを通して、カケハシで働く人たちにも、お客さんや患者さん、生活者の方々にも、カケハシのことを知っていただく機会を増やしていけたらと思います。 

啓祐:僕らのチームでは「Handbook」というものを作っているんですが、そこにカケハシの目指すところやプロジェクトの背景をいろいろ書いていて。今の話も「Handbook」に入れたいですね。

上田:そうですね。カケハシは300人以上が働く会社に成長しているということもあり、カケハシらしさを体現するようなアクションが社内で生まれてもなかなかすべてを把握するのは難しくなってきているんですよね。でも、そこにもっと目を向けていきたいなとは思っているので、「これは良いんじゃないか」というものがあれば、ぜひ教えてほしいですね。

啓祐:僕も知らないことが増えてきているので、みなさんから教えてもらえるとありがたいです。 というわけで、今日はいつもと違う感じで僕が進行させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。上田さんも、お付き合いいただきありがとうございました。

上田:こちらこそ、ありがとうございました!


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