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今日の改善が未来の医療体験をつくる。カケハシ新CTO湯前の所信表明

この度、CTOに就任した湯前(@yunon_phys)です。

カケハシに入社してちょうど1年、このタイミングでCTOという重責を預かる機会に恵まれたことにとても感謝しています。社内のメンバーと今後の開発組織のあり方について議論するたびに、寄せられる期待の高さをひしひしと感じています。

カケハシは昨年、シリーズCで総額94億円の資金調達を行い、次のステージに向けて事業展開を加速しているフェーズにあります。多様なバックグラウンドをもつ優秀なメンバーが350人以上、そのうち開発組織は150人弱、チーム数も20チーム弱となかなか大きな規模になってきました。

これだけの組織体になると所属チームや役割によって追いかけるべきKPIや定性指標は異なり、その人の置かれた立場や役割によってCTOに求めるものもさまざまです。そうした一人ひとりの声に対して考えを述べていきたいところではあるのですが、まずは第一歩目ということで、今回は開発組織全体としてどんなことに注力していくのか、CTOのミッションとして何を重視していくのか、私なりの考えをまとめてみます。

(以前の記事もぜひあわせてご覧ください!)

明日の医療の基盤となる、新たなプラットフォームの構築へ

カケハシは「日本の医療体験を、しなやかに。」というミッションを掲げて事業を行っていますが、私たちが目標とする“しなやかさ”に到達するには、これからさらに大きなジャンプアップが必要になると考えています。

その一手となるのが、医療データに基づく患者さまへの価値提供の促進です。

カケハシは、薬歴・服薬指導システム「Musubi」、患者さまと薬局をつなぐ「Pocket Musubi」、薬局BIシステム「Musubi Insight」、医薬品在庫を適正化する「Musubi AI在庫管理」という既存のプロダクトを通して、薬局・薬剤師の皆さまによる患者さまへの価値提供をサポートしてきました。

そして薬局の現場では日々たくさんの患者接点が生まれ、患者さまにどのような薬が処方されたかはもちろん、服薬状況やお身体の状態など、継続的なフォローを通じた患者さま個人の情報が蓄積されています。

こうしたデータを、いかにして薬局・薬剤師さまを通じた患者価値に活かしていくか。ベースとなる各プロダクトのさらなる成長はもちろん、プロダクトを介した患者・処方データや患者さまとのタッチポイントを、志をともにする多くの薬局さまと連携しながら、多面的に活用することのできる医療プラットフォームとして構築することが、これからのカケハシには強く問われています。

医療体験の進化を“毎日”カタチにする開発組織

開発組織として、このジャンプアップに貢献できることは何でしょうか。私はいち早くプロダクトをリリースし、継続的にプロダクトをブラッシュアップして、その効果を素早く確かめることのできる土台をつくることだと考えています。方針としては地味にうつるかもしれませんが、この土台づくりは決して簡単なことではありませんし、これこそがカケハシの開発組織としての強さに繋がると信じています。

究極の目標は、プロダクトのリリース〜効果検証を「毎日」行なえるようになること。つまり、医療体験が日々進化する世界の実現です。日次ベースで医療体験が進化し、より多くの医療データが蓄積され、それがまた新しい医療体験の創出につながるーーそんなポジティブなループを作っていきたいと考えています。

そのためには、開発言語、ソフトウェアアーキテクチャ、データモデリング、開発プロセス、QAプロセス、技術的負債の解消、負荷試験など、一つひとつの開発にまつわる技術を丁寧に積み上げていく必要があります。“現在”が過去の積み上げの結果であるように、“未来”は今ここからの積み上げ次第です。目の前の小さな技術的な改善の連続がすばらしい未来をつくるのだということを、開発における大切な考え方としてカケハシ全体に浸透させていきます。

もちろん組織として、最新の技術のキャッチアップやプロダクト化・サービス化の検討は、常に並行して進めていきます。いま現在の取り組みとしては、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)を活用した薬剤師さま向けプロダクトのプロトタイピングに着手しています。医療における有用性の検証は今後の課題になりますが、こうした新しい技術に対して積極的にアプローチすること自体が、日々の医療体験の進化につながるアクションとなるはずです。

“開発文化”というカケハシの強みに、今まで以上の積極投資を

さて、方針やビジョンと同様に重要なのが、カケハシ全社のバリューや開発組織としてのカルチャーです。いくらみんなが同じ方向を向いていたとしても、向き合う姿勢や価値観が揃っていなければ、組織としてのモメンタムは維持できないのです。

ありがたいことに、創業から長きにわたりCTOを務められた前任の海老原さんの尽力によって、カケハシの開発組織には6つのバリューが浸透し、全社的な理解を土台にしたAgileな開発文化が育まれています。組織カルチャーの成熟度は、私自身、1年前に参画して最も驚かされたことの一つです。このバトンをしっかりと受け継ぎ、次のステップへと成長させていくことが、CTOとしての私の使命です。

次のステップとして私が思い描いているのは、メンバーそれぞれが医療の世界にどんな変化を起こせるかと毎日ワクワクしながら開発に向き合っている組織です。一人ひとりやりたいことに集中できる環境があり、開発の知見やノウハウが息を吸うように共有され、多様なバックグラウンドを持つ人材であふれている……そんな姿を見据えています。

現在の開発組織も、そのイメージに限りなく近いものです。とはいえ、それに甘んじてメンテナンスやアップデートを怠ってしまうと、組織文化はいつの間にか失われ、”色のない組織”になってしまうのです。それだけは絶対に避けなければなりません。育まれてきた開発文化をカケハシの大きな強みの一つと捉え、CTOのミッションとしてそれを維持・発展させていくことを、ここに宣言します。

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カケハシでCTOの役割を担うことは、私にとって大きなチャレンジになります。力不足に感じられる部分もあるかもしれませんが、日本の医療システムの再構築という大きな社会課題の解決に向けて全力を尽くし、自分自身も成長を続けていきます。ぜひご支援いただけますと幸いです!

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