PdM1年生の履歴書。CSからのキャリアチェンジで“What力”を磨く
こんにちは!
カケハシで新規サービスのプロダクトマネージャーを担当している山田優花です。
2021年7月に入社し、約1年が経ちました。
初めての転職で、カスタマーサクセス(CS)からプロダクトマネージャー(PdM)へと役割を移して挑んだこの1年。非常にいい経験をさせてもらうことができました。そこで「こんな人間がカケハシでPdMやってるよ」というのを知ってもらう意味でも、私自身のこれまでのキャリアと、この約1年間の歩みを振り返ってみたいと思います。今後のキャリアに悩む20代の方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
決済代行サービスのセールス・CSとして
新卒で入社した前職では、主に顧客と直に接するキャリアを歩んできました。「社会人としてまずは営業!」「自社プロダクトの価値を理解するには、顧客の声と直に接するほうがいい!」と法人営業を希望したのがきっかけです。
セールスとはいえ契約がゴールではなく、今で言うカスタマーサクセスの役割も担うのが当時の前職でのスタイル。サービスをスムーズにご利用いただけるようにするためのオンボーディングから、システム連携が必要な場合の質問対応、利用開始後に発生した各種課題の解決やアップセルまで一貫して担当するのです。
幅広い領域をカバーすることはもちろん、顧客の課題抽出と提案の組み立てにはめちゃくちゃ苦労しました。決済代行のサービスを担当していたのですが、決済代行は顧客の支払いが滞った場合、そのぶんを自社が保証しなければなりません。それだけに、顧客と自社双方がwin-winになるような提案とオペレーション設計が不可欠です。こうした、ある意味シビアな環境だったからこそ、顧客コミュニケーションに関してはかなり鍛えられたと思います。
特に意識していたのが、顧客要望の裏の裏をつかむこと。「こんな機能が欲しい」という要望に従って開発したものが必ずしも顧客の満足につながらないのは、プロダクトマネジメントでもよく指摘されることです。顧客が求めているのは機能ではなく課題解決であり、どうすれば課題を解決できるのか、ときには何が課題なのかさえ、顧客自身がただしく理解しているとは限りません。
▼似たような話で有名な記事
要望をヒアリングする際は、何を欲しているかだけでなく、その理由や必要性を感じた状況など要望の背景を聞くようにしていました。その上で、顧客の課題を満たす機能やプロダクトの使い方がすでにあれば提案するし、なければ社内にフィードバックする。セールスもプロダクトづくりの一員だという意識で取り組んでいました。
社内プロジェクトでものづくりに目覚める
もう一つ、自分の視野を広げてくれたのが、社内の「契約管理プロジェクト」に携わった経験です。
契約管理のツールを一元化するプロジェクトで、既存のCRMツールの改修が主なミッション。とはいえシステムに関する私の知識は限定的で、メンバー間のやりとりを理解するだけでも一苦労という状況……。
こうしたなかで開発メンバーと協業し、未熟ながらもしぶとくコミュニケーションを重ねながら一つひとつ課題をクリアしていけたことは、モノづくりの面白さに目覚めたという意味でも、今につながる大切な経験だったと思います。
自分の理解が足りないときに、どうやって助けを求めるべきなのか。メンバー間で認識が揃っていない場合に、どう整理していけばいいのか。ファジーな状況での言語化能力は、ここでだいぶ鍛えられました(笑)。
コンフォートゾーンを飛び出し“What力”を高めたい
こうした経験を通じて業務スキルやプロジェクトマネジメントには自信がついてきたものの、そのひとつ上段の「そもそも何をやるのか?」を決める力ははまだまだだなぁと感じていました。「慣れ親しんだドメイン、仲間だからこそできている面もあるのでは?」とも。
(この“何をやるのか?”を決める力を、私は“What力”と呼んでいます)
そもそも私は、将来成し遂げたいことを明確に持っているタイプではありません。それならば、ビジョンを持った人のもとで、そのビジョンを達成するために何をやるべきかを考え、周囲の人と実行できるようになりたいなと。
そのために必要なのは、プロジェクトマネジメントと“What力”。この2つのスキルを伸ばしていくには、常にストレッチして自分の幅を広げていくしかありません。
一方で、少し前までは常にストレッチゾーンにいたはずなのに、今の自分がコンフォートゾーンにいるなという感覚はどんどん強くなっていきます。
できることが増えて余裕が出てきた中で、成長実感を得るのが難しくなっていたのでしょう。20代後半はまだまだ貪欲に成長を求めるべき時期だと思っていましたし、常にストレッチゾーンに身をおいて自分の幅を広げるには、何かを変えなければと考えるようになりました。そこで出会ったのがカケハシです。
自分の成長をイメージできたのがカケハシ
カケハシを選んだ理由は、私が求める経験・成長のイメージがわいたからです。なんとなく「プロダクトに深く関わる業務」を思い描いてはいたのですが、「PdMに向いていると思う」という面接の一言で、これからの道が一気に開けた気がします。PdMは「何を、どのような優先順位でやるのか?」を決めることに集中する仕事。“What力”を鍛えるには最適です。
また面接でお話しした10人全員が、相手を尊重したコミュニケーションをする方々だったのも決め手になりました。こちらをジャッジするよりも、相手の良さを理解するために質問してくれている印象を受けたのです。
ちなみにこの印象は入社後の今も変わりません。むしろチームメンバーだけでなく、経営陣とも同じスタンスでコミュニケーションできています。
代表の中川はチームの取り組みや考えを尊重してくれますし、CTOの海老原も同様。毎月の1on1では私の相談に対して、ごまかしたり取り繕ったりすることなく、「僕にできることはありますか?」と正面から向き合って一緒に考えてくれます。
ベンチャーとはいえカケハシも数百名の組織。経営陣との距離を感じてもおかしくない規模だと思いますが、それにもかかわらずこうしたスタンスで仕事ができる環境というのは、そうはないんじゃないかと思います。
PdM1年目のふりかえり
こうしてスタートしたPdMとしてのキャリアですが、1年ほど働いてみて少しずつ手応えを感じられるようになってきました。
1. エンジニアリング、デザイン、ビジネス、全方位的にやりとりできるようになった!
私の場合、本格的な開発プロジェクト自体が初めて。エンジニアをはじめチームのみんなにサポートしていただくことで、ようやく話についていけるという状況がしばらく続きました。開発知識が圧倒的に足りないことを痛感し、先輩の前で泣いてしまったことも……。
ですが、そもそもPdMの役割の本質は、開発だけでなくビジネスやデザインなどさまざまなセクションの間をつなぐことにあるんですよね。エンジニア出身のPdMもいらっしゃいますが、全員がそうではありません。「エンジニアレベルの知識を身につける」のではなく、「プロジェクトの推進に必要な要点を押さえ」「同じ文脈でコミュニケーションできるようになる」、つまり適切な“What”を掴むことが必要なのだと気づいてから、視野が開けた気がします。
2. 思考の“深さ”が変わってきた!
これはもう、たくさんの経験と知識をもった素晴らしいメンバーと議論をさせてもらっているおかげ。
例えば、CEOの中川や戦略系コンサルティングファームの元パートナー、国内屈指のデータサイエンティストなどさまざまな領域のプロフェッショナルたちと、事業展開や仮説検証の進め方などを議論するミーティングが週2〜3回あります。
そこに自分が担当した調査内容や考察を持っていくこと。そしてその場で得られたフィードバックをもとにまた思考すること。指摘をうけ、さらに考えるというサイクルをひたすら繰り返すなかで、考える筋肉が鍛えられているのを実感しています。
▼私をあたたかく鍛えてくださるプロフェッショナルのひとり
3. SQLが書けるようになった!
最初に必要になったハードスキルの1つが、SQLを用いたデータ分析。SQLの書き方は書籍で独学し、社内のデータベース構造や仕様は仕様書を読みつつ他のメンバーに教えてもらいながらどうにか体得。今では、学習中のメンバーに教えられるレベルにまでなりました。
周囲のメンバーとの差に焦りを感じていただけに、この一歩は大きな自信になりましたし、開発メンバーの力を借りずに自分でサクッとデータ分析できるのは仕事をする上でもとにかくラク。
自分に足りない部分を得意な人やプロに任せられるだけではなく、自分でできるようにする機会を与えてもらえる環境に感謝です。
カケハシのビジョンが、自分自身のビジョンに
私の場合、率直に言うと、薬局を含め医療業界に対してもともと強い思いがあったわけではありません。社会貢献ができればいいなと、なんとなく考えていた程度です。
しかし薬局や医療の現状を知るにつれて、私自身にも使命感のようなものが芽生えてきました。
実は、日本の薬局の数はコンビニの数より多いとされています。しかし、在庫管理・発注業務や医薬品の流通は、一般の小売業界に比べてテクノロジーによる最適化の余地がまだまだ残されている。そこに本気で向き合っているのがカケハシです。
社会的意義のある事業を通して社会に価値貢献すべく、すばらしい仲間とフラットな関係でチャレンジできていること自体が楽しく、できるだけ早く描いている未来を実現したいと思っています。
PdM2年目もがんばるぞ!
カケハシ、まだまだ仲間を探しています!
医療というドメインで、一緒に社会課題の解決に挑戦しませんか? まずは話を聞いてみるだけでOKですので、ぜひお気軽にお声がけください。
▼私(山田優花)のFacebook